エル・エンジェルボランティア便り 第24号 (2004年7月)


梅雨明けの七月です。まだ雨は残っていますが、もうすぐ盛夏です。
白がいちばん似合う季節です。木綿や麻がいちばん心地好い季節です。汗がいちばんきらきらする季節です。軒先の風鈴が風をそして涼をよんでくれます。



もくじ

☆日本郵政公社より配分金をいただきました

☆ご寄附をお願いします

☆ボランティアで頂いたもの( さくらんぼ )

☆ 聖女に捧ぐ( 海老名の風 )

編集後記


☆日本郵政公社より配分金をいただきました

日本郵政公社様からの配分金贈呈

 インドにおいては、多くの路上生活者がいられます。その中でも高年齢の方々が特にいたましく見うけられます。以前より、現地の方々からこれらの人々を保護できる施設の建設、運営を強く要望されていました。
 そこで、現地を訪れ調査した結果、要望の必要性に共感しアーンドラ・プラデーシュ州ビジャヤナガラム市モダバラサ村に30名収容の老人福祉施設(エル・エンジェルホーム)相談センター・ディケアセンターを建設することにいたしましたが、資金不足のため日本郵政公社のボランティア貯金の配分金をお願いしてまいりました。 この度、配分金2,438,000円を頂けることとなりました。
 ネパールの事業といい、今回のインドの事業といい日本郵政公社様より、こうしてご理解、ご協力を頂くことを深く感謝申し上げます。
 大変助かるシステムであることを思いますと、お金を預けるとき、私たちも少しでもボランティア貯金に預けるよう心がけ、又呼びかけて行くことも大切かと思われます。



☆ご寄附をお願いします

 日本郵政公社より教師等の給料や日本人現地駐在員の経費等の支援を6年頂いてきましたが、同一事業の配分は5年を限度とするということになり、16年度から、エル・エンジェル校に関する支援がなくなりました。これからは、教師等の給料や駐在員の経費は、全部当協会の支出となります。16年度の事業を考える時、資金不足が心配されます。当協会は、会員や会費制度をとっていないのでお一人お一人が届けて下さるご支援が頼りです。皆様の温かいご支援は大切に使わせていただいております。皆様のご支援に感謝すると共により一層のご協力をお願いするものです。口座振込用紙を添付いたしました。当協会の活動にご理解とご支援をいただけますようどうぞよろしくお願いいたします。



☆ボランティアで頂いたもの   ( さくらんぼ )

 以前の私は損得で物事を考え損をしたくないと瞬時に判断し行動していたと思います。
「ボランティアをさせてもらったらどうですか」と言っていただき、小児科病棟の病院ボランティアのお手伝いをさせてもらいました。自分が行きたいとき、したいことをさせてもらいながらそれでも皆様が喜んでくださり、ありがたかった体験でした。小さな子供達が親と離れ闘病している姿は、私の固い心をほぐしてくれ、子どもの笑顔は幸せと優しさを気づかせてくれました。当協会で、ネパールの山の中に学校を造るという計画を聞いたとき驚きました。子供達に何が欲しいのかを聞いた時、「学校に行きたい」と言ったという言葉に驚きました。菓子や洋服でなく、勉強したいと願っている子供達、破れた服を着て、ハダシで崖道を歩きながら、学びたいと言う子供達に本当に驚きました。こんなに真剣に学びたいと願う子供達を見た時、学ぶ機会を造った当協会の活動に参加できる喜びを感じました。あんな山奥に鉄筋建の立派な学校ができた時も驚きました。
 村人が経済的自立を図るため技術を習得してもらう技術センターの建設、給食制度など住民の幸せを願っての確実な支援に驚いています。現在、エル・エンジェル校の生徒達は、将来の希望や夢を語り始めています。生徒達の素晴らしい変化に驚き、活動に参加させてもらう喜びを感じています。物やお金に価値をもっていた頃には、感じることのなかった幸せや喜び、そして優しい気持をたくさん頂いています。ありがたいことに家族が物を大切に使うようになり、ぜいたくを言わなくなりました。家族でエル・エンジェルボランティアに参加できるお陰です。ボランティアは参加することで喜びを頂けることを実感しています。また継続の大切さもわかりました。これからエル・エンジェル国際ボランティア協会の活動が世界に広がることが楽しみです。


( あさがお )

〇 自転車で買い物に行った帰り、つっかけ姿で今にも倒れるのではと思われる高齢の男性に出会いました。 ご自分の家が分らなくなり、方々を探し歩かれた様子で、とても疲れておられる風に見受けられました。 ご自分の名前、住所、電話番号等をすらすらと言われましたが、足元がふらついて、とても一人で歩いて帰れる状態ではありませんでした。 丁度その現場を通られた女性が一人また一人と足を止めて、男性のことを心配してくださいました。 自転車を走らせて男性の家を探しに行って下さったり、電話をして下さったり、近くの公衆電話で電話帳を調べて下さったり、またわざわざ男性に飲物を買って下さったりなど何人かの女性からあたたかいご協力をいただきました。
 いろいろ手を尽くしましたが、結局男性の家が分らず、最寄の交番までお連れしようかと思っていた矢先、丁度お巡りさんが通って下さり、事情を話しして、男性を引き取っていただきました。
 見知らぬ方々のお陰で無事お年寄りを保護させていただくことが出来て、ほっとした気持と感謝の気持で一杯でした。
 今回の体験から助け合うことの大切さと助け合うことで元気や喜びを一杯いただきました。


( たなばた )

〇 自分のこともままならないのに、家のこともままならないのに、まだまだ途中の私なのにボランティアでもないでしょう。もう少ししたら、もう少しよくなったら、いつも尻ごみしていました。バザーに誘っていただきました。100円買っていただいた方にありがとうございましたと言った時うれしかった。電車で席を譲った時、喜んでいただいた。道を聞かれた時、案内してニッコリされうれしいなーと心が喜んだ。ネパールに行って子供達のお弁当の貧しさに驚いた。子供達にお昼にパンの一個も食べさせてあげたい、みんなの思いで給食が始まった。
 子供達に思いを寄せて募金して下さった人達も、みんなうれしくなった、うれしい、ありがとう。ボランティアって一歩、まず一歩踏み出すやさしさかなと思いました。


☆ 聖女に捧ぐ  ( 海老名の風 )

 何百何千年の時を経たと思われる街路樹の根元を住み家として、布一枚をまとい杖一本を側に、使い古したやかん程の大きさの金物の器を手に老女は一人、そこにたたずみ、やせ細った手を道行く人々にのべ出し、物乞いをしていた。どれ程の長い年月をそうして過ごしていることか、老女のうつろな目がその年月の長いことを物語っているようだった。何才なのだろうか、おそらく老女自体、自分の年齢を知ってはいないのだろう。
 枯れた棒切れのようになった足はすでに歩くことさえやっとのようで、動く陽の光をさけるためいざりながら身を守ってはいたが、その手を往来に向けることだけは止めなかった。
 犬は捨てられたえさを敏速にあさっているが、老女にはそれもままならぬまま、そこに座していた。
 沢山の人が行き来していたが、足を止め老女に近寄る者はほとんどいなく、老女の力ない衰しい声だけが、そこにいるのは人であると云うことを知らせているようであった。今、午後三時、彼女は今日、何か食べれたのだろうか、もしかして、昨日も今日もまだ何も食べれてないのではないだろうか、もし、病気にでもなったらどうなるんだろうか、そして、ここでこのまま死んで行くのだろう、そう思わされる。その事実は、路上に動くことなく横たわる人のいることが物語っていた。


 ここはインド、カースト制の中でその体制を受け入れて生きざるを得ない国柄。そのこと自体、他国の者がとやかく云うべきではないと心しているが、内なる声がささやく“老女、その者は汝の友である”と。
 聖書の中に書かれているラザロのことが頭をよぎる。
 この世の富・この世の貧とはいかなることか、あの世の富・あの世の貧とはいかなることか、エル・エンジェルと名前を受けた私たちは今、何を思い何をなすべきなのか、ボランティアに対してさまざまな意見が交差するこの頃、今こそ、一人ひとりの心の声に耳を傾けるその時であろう。
 とかくボランティアという感情に流され易い中、私たちは地球全体のバランスを知らない者であることを認識し、国の秩序を守りながら、真なる心の声に従いて、優しい想いが具現され世界平和の一助になれることを祈り上げたい。


 五時過ぎ、雷鳴とともにバケツをひっくり返したような雨が降ってきた。老女は木陰を外し、顔を空に向け、落ちてくる雨を顔で受け、頭・顔・肩と全身で雨を受けている。乾ききっていた老女に生気が甦っていくようでそのよろこびが伝わり来、思わず天に向かって手を合わせた。やがて、再び強い陽ざしが大地をおおい人々は往来し出し、先程と変わらぬ光景が続いていた。


 ところで人間にとっての恐怖とは孤独という恐怖が最大である、といった人がいるが、まさしくと思われた。誰からも見離された中で生きることのつらさはいか程のものか、想像以上のものであるに違いない。せめて屋根の下で、悲しみや弱さを共有できる生活が出来るならば、人として生を受けた喜びが持てるやも知れない。犬をもうらやむ生活の開放がなされ、人としての命の尊厳を自覚できた時、人として生まれた意味を回りの人にも与えることの出来る存在となりうることだろう。
 ”ラザロが門前で物乞いをしていた時、多くの人々はどう振舞ったというのだ、ラザロは私が送り出した者である。”そんな言葉が今、雨上がりの空に天上よりとどろき来そうで、再び天を仰いだ。陽の光がよりまして、全てを照らしていた。その光は心の中までも見透かす光のようであった。

2002年8月 記


 皆さまからお寄せいただくご支援のおかげで、今年、インド国アーンドラ・プラデーシュ州ビジャヤナガラム市モダバラサ村に於いて路上生活者の老人福祉施設を建設することとなりました。資金が不足していましたが、郵政公社からご理解をいただき、配分金を頂けることとなり予定の年に着工出来ますことに深い感謝を覚えます。運営は資金不足のため、地元のロータリークラブのメンバーが行うこととなりました。運営はこの先ずっとのこと由、とてもお金がかかります、ロータリークラブのメンバーの篤志に感謝申し上げたいと思います。当協会といたしましても、出来うる限りご支援が出来ますよう願っております。今後ともご理解ご協力の程よろしくお願いいたします。
ホームの名称は エル・エンジェルホーム といたしました。
あの日逢ったあの老女もまだ生きてらしてこのホームに入って欲しい、と願うばかりです。

2004年7月 記



 葦きりの  雨きり裂きて  沼暗む

 病床の  父目で数ふ  青き梅

 五月闇  いよよ白磁の  白さかな


レイ作



編集後記

 イラクで襲撃を受け亡くなられた橋田信介さんの意思を受け継ぎ、戦闘に巻き込まれ、目を負傷したモハマド君が、目の治療の為来日したとのニュースが流れました。
イラク人によって殺された橋田さんの家族は憎しみではなく、橋田さんの愛を受け継ぎ愛でかえされました。又多くの人達がその優しさを引き継がれ実現したのだと思います。どの人の心にも何か役にたちたいと思う優しい気持ちがあると思います。その時自分がうれしい。協力された皆さんの心にやさしい灯が、ボランティアの灯がともったように思います。

( S )


※ 7ページに15年度分の決算書を記載いたしました。ご覧下さい。
(HP上での決算書はこちらでご覧下さい)

発行所  NPO エル・エンジェル国際ボランティア協会
〒243-0406
神奈川県海老名市国分北2-17-16
Tel 046―236-0001
Fax 046―236-0002
イラスト   衛藤
編集担当   山梨 陶山 岩田 竹内

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