エル・エンジェルボランティア便り 第19号 (2003年04月)





 青空を背に咲き満ち、夜は水中にこの姿を美しく写す桜の花。
 短い命を精一杯に咲き誇り、潔く散る桜の花。 西行がこよなく愛した桜の花には他のどの花よりも 花の精を強く感じます。 はかなさを秘めた美しさに、また潔さに日本人は誰もが心魅かれるのでしょう。


もくじ
☆外務省から橋建設の資金協力がいただけることになりました。
☆エル・エンジェル校で思ったこと
☆ラマチョー村で思ったこと
☆エル・エンジェル校の昼休み
☆今までの支援と今後について
☆生徒の変化について
☆周辺の変化について
編集後記


☆外務省から橋建設の資金協力がいただけることになりました。
ジャムディー村の橋建設のために昨年からネパールの日本大使館に出向いて村の状況や橋の必要性を説明したり、また外務省にも何度も足を運んで建設資金の協力のお願いをしてきましたが、このたび外務省から日本NGO支援無償資金協力がいただけることになり、念願の橋建設が実現することになりました。
 これまで対岸の村民は急病や怪我、あるいはお産のときに病院へ行くためにはいくつもの山を越えたり、川を迂回して行かねばならず、間に合わずに生命をおとすこともあって村の人たちは悲しい思いをしてきました。
 川に橋がかかることにより、多くの村の人の命が助かり、また今まで学校へ行けなかった対岸の子供たちがこの橋を渡って現在建設中の学校へ通学することができます。
 橋の建設場所は山間部であり、工事機材の運搬などにかなりの困難が予想され、また多くの人手も必要となりそうです。 橋建設資金調達の目処はつきましたが、建設計画から橋完成までには多くの苦労があるとは思います。 村の人々や子供たちの明るい未来を思うと一日も早い橋の完成が待たれます。

※ 学校建設及び、橋の建設等ますますボランティアの力が必要とされます。
資金面においても今後とも多くのみな様の温かいご支援をお願いいたします。

☆エル・エンジェル校で思ったこと
 今回は日本から英語の堪能な方が、生徒と私たちの通訳をしてくださったのですが、「生徒の発音がしっかりしてとても聞き取りやすかった」と言われました。
これはインドから正確な発音と正しい文法の分かる立派な教師を迎えている成果ということです。
 ただ話せるだけでなく書けるだけでなく、国際的に通用する正式な英語を、幼少よりしっかりと身につけることの出来る生徒の将来が楽しみです。村人は英語の分かる人はほとんどなくネパール語なので、意思の交流が難しく、淋しい思いを致しました。
 言葉が通じれば率直な話ができ、思いが伝わるのにとても残念な思いをします。遠くない将来に生徒たちが通訳をつとめてくれ、ネパールと日本の架け橋になってほしいと心から願いました。

☆ラマチョー村で思ったこと
 昨年の11月にラマチョー村を訪問し、村人の家を見せてもらいました。その中に日本の中学生の少女もいて、一緒に家々をまわりました。
 子供も大人も老人もみんなが歓迎してくれ、飴玉ひとつを笑顔で受け取っていただきました。
 土間の台所と居間兼寝室が1つだけの粗末な小屋のような家(それでも以前よりずいぶん良くなっています)を見ていましたら、突然しゃくりあげるように泣き出した中学生の少女に、私が感じなくなってしまった“純粋で清らかなこころ“をみました。
 少女は何を感じ、何を思ったのでしょう!
 少女はこれからどのような未来を歩むのでしょうか!
 ネパールの旅が、少女に幸せを運んでくれるような気持ちがしました。
 又お腹の大きな妊婦さんがいましたが、敷物を持ってきてくれたりキビキビした動きをして、甘えることのないたくましい姿に圧倒されました。出産は自宅でするということですが、医者や助産婦がいて医療設備の完備された日本での出産を思い、母子共に健康で無事に生まれ育つことを祈りました。

☆エル・エンジェル校の昼休み
 お昼の鐘の音を合図に、静まりかえっていた校内が一斉に賑やかになり、一日のなかで一番うれしい楽しみの時間です。
 大きなボールに入った焼きたてのパンが教室に運びこまれ、日本のようにお皿はありませんが、お当番の生徒が机のうえに一人一個づつパンを配っていました。
 配られたパンを教室で食べている生徒がいれば、歩きながら食べている生徒、少しづつパンをちぎって立って食べている生徒、また給食のパンを食べたあと、家から持参したビスケットを食べている生徒もいました。
 女子生徒は校庭の片隅で5~6人のグループで輪になり、おしゃべりをしながらそれぞれ自由にとても楽しそうにパンを食べていました。
 どんな楽しい話をしているのかのぞきこむと、とても恥ずかしそうにしていました。
 英会話が少しでも出来れば彼女たちといろいろ楽しい話をすることができ、日本のことも一杯話せることができるのにと語学力の無さ、寂しさ、もどかしさを感じました。
 生徒達が各教室から一斉に出てくると狭い校庭は生徒で一杯になり、互いにぶつかってしまいそうでした。
 男子生徒はボールで遊んでいましたが、日本の子供達のように思いきり体を動かして遊ぶことも出来ず、キャッチボールやサッカーなどができる広いグラウンドが欲しく思いました。 

 午後の授業開始の鐘の音を合図に、短い昼休みが終わってどの生徒も再び学習する顔になり、各教室に整然と戻っていきました。

☆今までの支援と今後について
 これ迄の支援として制服、靴の配布、給食制度、里親制度から奨学金制度、医薬品の整備や医師の巡回指導、ミシンや編み機による技術指導、等々の援助が進められてきました。

今後の要望・課題として
・トイレの増設と校庭の拡充
・鶏の飼育による村人の経済的自立
・米の生産性を上げること(日本のやり方を取り入れる等)ができないか
・野菜や果物等農産物の低温貯蔵庫の設置
・ミシンや編み機による製品の販売ができないか
・図書室や理科室・医務室等の充実
・橋の建設(ラマチョウ地域セイチ川)
・頑張った生徒の日本への招待
・恵まれない孤児のための施設建設(若い人の働く場の確保にもなります)
・遠方より通う優秀な教師や生徒のための寄宿舎の建設
などがあります。支援の実現に向け、皆様のご意見やご協力をお願いいたします。

☆生徒の変化について
・ハンカチやタオルを持って手を洗う習慣ができました
・ゴミはポイ捨てをしないでゴミ箱に捨てる習慣ができました
・髪型や制服姿が清潔できちんとした印象です
・誇りを持ったしぐさや行動が印象的です
・自分の意見を大勢のまえで堂々と発表できるようになりました
・上級生は下級生の面倒をしっかりみます
・自分から積極的に話しかけてくる生徒と内気な生徒との差を感じる
・甘えたり媚びたりすることがなく、明るい笑顔を返してくれる生徒が多い
・規律正しく行動できる
・学習意欲がました

☆周辺の変化について
・村人の服装が良くなった
・村人の家が良くなった
・乗り合いバスが走るようになった
・教育の大切さと必要性が少しづつ理解され始めてきた
・学校運営に関する村民の自立に対する日本からの支援への理解と協力が少しづつ得られ始めた
・生徒と違い大人の学習の困難さを感じる
・生徒の教育に熱心な教師が増えた

編集後記
春ですね
梅が咲き、水仙が咲き、菜の花が咲き、桜が咲き春ですね。今までちぢこまっていた心も暖かさに誘われて、ゆったり伸びをしているようです。
この春の香りを世界中の人に届けたい。すべての人に平和が訪れることを願います。
発行所  エル・エンジェル国際ボランティア協会
〒243-0406
神奈川県海老名市国分北2-17-16
Tel046―236-0001
Fax046―236-0002
イラスト   前迫
編集担当   山梨 陶山 岩田 竹内

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