エル・エンジェルボランティア便り 第11号  (2001年6月)





東京を離れますと、水田を囲むようにして山の稜線が、又風に流されるまっ白な雲が水面に写っている風景が車窓よりみられます。そして風が吹くたびにそれがゆらぎ、刻の流れを忘れたかのように思えるひと時です。


もくじ
◎ 生徒の日本への招待について
◎ 村人への検診について
◎ 海老名市より額の寄贈を受ける
◎ 福岡の波多江小学校6年生よりのプレゼント
◎ エル・エンジェル校を訪れて
◎ 母校で実現できたネパールの話
◎ ネパールの話をきいた生徒からの便り
◎ ネパールの子供達と私
◎ 日本人駐在員夫妻が日本に帰国しました。
◎ 緊急報告
編集後記

◎ 生徒の日本への招待について

 多くの皆様のご協力のお陰でエル・エンジェル校の運営も、七月より四年目の新学期が始まります。生徒たちの学習意欲は大変たかく、学ぶ素直さと吸収力の大きさは驚くばかりです。学ぶよろこび、まなべる幸せが意欲になっているようです。
今回、各学年3名づつ優秀な成績を修めた生徒を表彰いたしました。
 また 今年の秋に全校生徒より成績優秀な生徒数名を、日本に招待する計画を考えています。日本に行けることでもっと日本が身近に感じられ、将来に夢と希望をもち勉学に励んでくれるのではないでしょうか。なにより今までどうにもならないとあきらめていた環境や現状から、やる気と向上心が生まれると思います。
 詳細が決まりましたらお知らせ致しますが、生徒たちの滞在受け入れや見学、案内、お世話など皆様のご支援とご協力をお願いいたします。


◎ 村人への検診について

 現在、大学病院の医師と医学生の約30名が月2回エル・エンジェル校舎で診察を行っています。
村人や子ども達が誰でも診察を受けることが出来、病気やけがをしても安心して生活が出来るようになりました。


◎ 海老名市より額の寄贈を受ける

 エル・エンジェルボランティアが海老名市役所を表敬訪問したおり、亀井市長様より海老名の歴史を織り込まれた、シンボルマークのはいった寄贈用の額を頂きました。
エル・エンジェル校の職員室に飾りました。
日本人の心が伝わることと思います。


◎ 福岡の波多江小学校6年生よりのプレゼント

 エル・エンジェル校と交流をもっている波多江小学校6年の生徒がネパールの子供達のために募金活動をしてくれそのお金でリコーダーを購入し届けて下さいました。
あたたかい心をありがとうございました。


◎ エル・エンジェル校を訪れて
大塚 武弘

日中の気温が20℃前後に上る日が次第に多くなるにつれ、草木が一斉に伸び始め若葉若木が目にまぶしい、新緑の好季節になりました。

・ 開校3周記念式典が行われました。
ラマチョ―ル村にエル・エンジェル校が、開校して3年が経過したのを機会に、このほど記念式典が行われました。学校の教職員をはじめ、児童や、市の高官、村の関係者、地元の人たち、それに今回訪問した長浦先生以下13名のボランティア協会関係者を含め、大勢の方々が校庭に集まり盛大に式典が開かれました。 

・ 4月10日(火) ポカラ市内のホテルを朝9時に出発。
住宅街、商店街を抜け、郊外に出ると道路は砂利道でこぼこ道になり、バスのスピードは自転車並かそれ以下になり、揺れるのを最小限にするために徒歩並にすることもあります。周囲の畑は、乾季のせいか、作物は殆んど植えておらず、たまに麦畑が見られ、農家の女の人が山羊を連れて、麦の刈り取りをしていた光景が見られた程度です。
時に、風が吹くと、乾ききった土が埃になり、バスの後ろから追いかけるように舞い上がり車内に入ってくることもあります。
 バスに揺られること1時間半で学校に到着。
校門の右側にはネパール国旗と日本の国旗が掲揚され、学校や柱や壁には、両国の国旗があちらこちらに張られ、祝賀ムードを盛り上げていました。校庭には、赤や青等のテントが張られ来客用の椅子も並べられ、華やかな雰囲気を醸し出し、式典の準備が着々と整えられていました。
村の人たちも集まり出し、テントの中に入り椅子に座り始めました。
やがて、子ども達、村の役員、市の関係者、長浦先生とボランティア関係者と多数の参加のもとに式典が始まりました。
式典の挨拶の中で、長浦先生が「毎年、ここへ来る度に変わってきています。ここに来るのが楽しみです。子ども達が、この学校で、1つでも2つでも多くの知識を得て、学んでほしいと思います」
と述べられ、学校への希望と期待を示されました。

・ 市の高官の方もお祝いにかけつけ、
祝辞を述べられました。
式典のあと、子ども達の歌や踊り、寸劇が披露されました。
歌の中には、日本のうた「大きなくりの木の下で」なども披露され、子ども達の特訓の成果が実り大きな感動を呼びました。歌っているときの子どもたちの表情は、熱心さに満溢れ、見ている者にたいへんな感激を与えてくれました。

・ ピアニカと、たて笛を初めて手にする子ども達。
  日本の子ども達から贈られたピアニカを初めて手に持ち、口にくわえながら一生懸命、音を出そうとする子ども達、その指導してくれたのが厚木の藤塚中3年の石谷舞さんでした。石谷さんの指導の説明を田村さんが英語で子ども達に話すという二人三脚で熱心な指導が続きました。
ボランティアの方々のお蔭で、短時間の指導ながら、音を出し合えるようになりました。
見よう見まねで、子ども達はすぐに理解し、吸収していきます。近いうちに、クラス全体で、ピアニカ演奏の曲が学校中はもとより周辺の人々にも美しい音色が響き渡るものと思います。
なお、この日、ピアニカの他に、たて笛も贈られましたが、ピアニカは厚木北小の子供達から、たて笛は波多江小よりそれぞれ贈られたことを申し添えておきます。関係者の皆さんに厚くお礼を申し上げます。

・ おいしいパンをいただきました
2階建ての技術センターの1階で給食用のパンが焼かれていました。
パン焼きの部屋に入ると、でき上がったばかりの蒸しパンを早速いただきましたが、少し甘味のある、ほかほかした温かいパンで大変おいしくいただきました。このおいしいパンを食べる嬉しそうな子ども達の顔が目に浮かんで来ます。
日本の学校では給食が日常的に行われていますが、自分が好きな物が給食に出たときは、殆ど残さないが、嫌いな物(例えば煮物)のときは残滓がかなり多く出たり、牛乳も残す子がいることを考えると、なんとぜいたくな食生活をしていることかと思わざるを得ません。

・ 長期駐在員の岩下さんが奥様と一緒に一時帰国しました。
エル・エンジェル校で開校に至るまでの準備から運営に至るまで現地の人たちとの交渉、子ども達の受け入れ、日常の学校運営等に日夜精力的にご尽力いただいてきた岩下さんが、奥様のイスミタさんを伴って3年半ぶりに私達と同じ飛行機で日本に帰ってきました。
奥様のイスミタさんは、日本は初めてで、関西空港へ降り立ったとき、見るもの聞くものすべてが驚くことばかりで信じられない様子で目を丸くしパニックに陥っていたようです。
岩下ご夫妻は、約1ヵ月間日本に滞在し、岩下さんの故郷の熊本県天草地方へ里帰りされるそうです。
一ヵ月の間、日本で友人、知人らと旧交を温める機会もあるそうで久しぶりの日本の春を楽しんでいただくこととともに、イスミタさんの日本への理解が一層深まるよう願っております。

・ 初めてエル・エンジェル校を訪問して
明るく、人なつこい子ども達教室に顔を少し出すと、子ども達はがやがやしていた話し声がなくなり、一斉に起立して「ナマステ」と言って手を合わせてあいさつし、迎えてくれます。そして明るい笑顔で応えてくれます。何と気持ちのよいことでしょう。
いつのまにか親しみがわいてきて、子ども達に声をかけてしまいます。子ども達の明るさに私達は、大いに励まされます。

・ 規律正しい子ども達
一日の授業が終り、家に帰るときの様子を見ていると、一列に縦に並んで校門の方へ歩いていきます。ボランティアの人を見つけると「サイナラ」「バイバイ」と言いながら、元気に下校していきます。あいさつがよくでき、気持ち良くなります。
式典のときの様子を見ていて、子ども達がきちんと静かに座っている姿がたいへん印象的でした。


◎ 母校で実現できたネパールの話
和泉広 和恵
4月27日(金)母校の郷野小学校にてネパール、エル・エンゼル校で自分が体験し感じたことを、お話しさせて頂くことが出来ました。
 
体験させて頂いたことを、自分だけの体験に終わらしたくないとづっと思っていました。
 そしてその時はぜひ母校で実現できたらとおもっていました。
 母のふとした後押しのお陰で、3月の初め勇気をだして行動しました。
 それが思ってもいない故郷の女性会の方々の集まりでも、なにか話してほしいと言われ「ボランティアへのめざめ」と題してお話しをさせさて頂きました。そして今回の母校での実現となり自分でもびっくりしています。教頭先生のご協力を得てパソコンプロジェクターを通して映しだされる写真を紹介しながら進めさせて頂きました。どうなることか不安でしたが、真剣に聞いてくださる生徒さんの目や、姿におされいつの間にか時間が過ぎました。 この春ネパール旅行された田村さんに、母校の写真とメッセージをもって行って頂きましたところ、エル・エンゼル校の生徒さんからたくさんのお手紙が届きました。また田村さんから最近の生徒さんの写真も頂きましたので、紹介させて頂きました。皆さんに助けていただいての実現でした。生徒さんからたくさんの質問もありましたが、なんとかお答えができてほっとしています。
 校長先生は「生徒たちが何回ネパールと言う言葉を口にした事でしょう。うれしかったです」と言ってくださいました。「ネパールの話があるんよ」と実家の近所の子どもさんが何日も前から話しておられたということです。また子供が「今日はええ話を聞いた」と何度も家で言っているんですと、お母さんが母に話されたということを聞き私は嬉しくなりました。それはこれからネパールという字を見たり、言葉を聞いたときラマチョール村の生活、エル・エンゼル校の生徒さんたちのこと、弁当のこと、お母さんの一日の仕事の賃金と、日本の子供たちの小遣いの事、少しでも思い出してもらえることで、それが自分たちの生活をとおして何かを気付くきっかけになればいいな-と思ったからです。
 学校から帰るとき、バスを待っているとき、子どもたちに出会うと手をふって「さいなら」と笑顔の交流です。今までとは違った親しみを感じます。
 一度に80人(全校生徒)の可愛い友達ができたようです。
 実家に帰るのが今まで以上に楽しみとなりました。
 木造建築のすばらしい小学校!自然に恵まれた環境!私が通学していた頃とあまり変わっていません。 エル・エンゼル校の生徒さんにも「すばらしい学校ですね」といっていただけた学校で勉強できたことに、のんびりとゆっくりと何も心配することもなく
 毎日を楽しく過ごせた故郷に、地域のかたたちに、そして家族に感謝しました。
 忘れかけていたことを、今回しっかりと味わう事ができました。
 この度の機会を与えてくださった郷野小学校の校長先生を始め先生方そして私のお母さん有り難うございました。

◎ ネパールの話をきいた生徒からの便り

・ こんにちは、エル・エンジェル校のみなさん。  郷野小学校6年 Takagi Daichi
この間、エルエンジェル校のことを聞いて、びっくりしたり、感しんしたりしました。
感しんしたことは、勉強が大好きだということです。ぼくたちは、とうぜんのように学校に行けるけど、ネパールでは、行けない人がいるときいてびっくりしました。
まずしいけど、弱音をはかないところがすごいと思いました。
これからもがんばって下さい。

・ エル・エンジェル校のみなさんへ 郷野小学校6年 Kuribe Rina
 私は和泉広さんからエル・エンジェル校のことを聞きました。
エル・エンジェル校はとってもすてきですね!! 私はエル・エンジェル校に行って見たいです。
私達の学校は木造校舎です。 全校生徒は80人です。  私たちのたんにんの先生はとってもおもしろいです!  
例えば(ウイッスー)などとよく言って笑わせてくれます。
クラスはいじめなども無くみんな明るくて元気です。 エル・エンジェル校はとってもいい学校で、みんな笑顔でにこにこでいいですね。
 これからもニコニコで元気でね。


◎ ネパールの子供達と私
石谷 舞

私は今回初めて、ネパールの旅に参加させていただきました。又、それと同時にラマチョー村の学校の授業に参加するという機会も与えていただき、ピアニカとリコーダーを持って日本を後にしました。学校に着くと、かわいい子供達が笑顔で迎えてくれました。みんな目がとてもきれいで、キラキラしていました。始めは、上級生のクラスでピアニカの授業が行われました。使われたピアニカは日本の小学校から寄付された物で、それらが渡されると、子供達はとてもうれしそうでした。そして、あっという間に教室が音楽室へと変わりました。
私はそこで、見本としてピアニカできらきら星を吹かせていただきました。子供達は本当に覚えが早く、初めてのピアニカのはずなのに、すらすら吹いていました。又、とにかく、やる気がものすごかったのが印象的です。
そして、家に持って帰りたいと言う子供さえいました。
ピアニカの後は、リコーダーの授業が行われ、ここで使ったリコーダーも日本の小学校から寄付された物でした。指使いが難しいためか、みんな苦戦していました。曲まではいきませんでしたが、ドレミファソラシドを練習しました。
どちらの授業においても、わずかの違いですが覚えの早い子、遅い子がいる事で早い子は、「聴いてくれ」[聴いてくれ]と自分をアピールしてきます。自分もそういう事があったので、気持ちはよく分かります。なかなか吹けない子はつまらなそうにしていたり、恥ずかしそうにしていました。中には、教えてあげている子もいました。今回、こういった機会を与えていただき、これといった特技のない私でも役に立つことができたのが、とてもうれしかったです。そして、短気というかあきっぽい私でも、授業中は不思議と比較的穏やかな気持ちでいられました。ネパールの子供達のきれいな目、きれいな心のお陰かもしれません。
今回の旅で素敵な、思い出ができたのも先生、奥様、母をはじめとするたくさん方々
のお陰です。ありがとうございました。ネパールの子供達の目はどんな宝石よりも
美しく、見ている方の心まできれいにするかのようです。世界中のみんなの目もこ
んなにキラキラになったら、地球はまぶしいほどに輝くんだろうなあ・・・・。


◎ 日本人駐在員夫妻が日本に帰国しました。

4月に駐在員の岩下さんが、ネパール人の奥さんと一緒に、一時帰国をしました。
結婚以来、ビザ申請をしていましたが、ネパール人のビザは許可されにくいネパール国の現状で今迄、来日することができなかったものです。
皆様のお蔭で、ディズニ―ランドや、箱根、九州、広島などへ行くことができました。
とくに、ネパール訪問でお世話になった方々のお気持を頂き、日本での滞在を楽しんだ様子です。ネパール人の奥さんは、電車や道路、デパート、ホテルなど見るものすべてが美しいので、驚いていました。日本の食物も気にいった様子で、元気で喜んでいました。多くの皆様の優しいお心に感謝いたします。


◎ 緊急報告

  この度は、ネパールの王室の事件が報道され、皆様、ご心配されていると思います。
 早速、現地に連絡をとりたしかめたところ、ラマチョー村においては暴動や混乱もなく、
 エル・エンジェル校も平常通り運営されているとのことです。王室に対し心よりお悔や
み申し上げます。7月に訪問する予定ですので、又、ご報告させていただきます。


☆編集後記

今年も庭の梅の木に実がつきました。
寒い冬にりんとした花と香りを楽しみ、又こうして実まで楽しんでいます。毎年、毎年同じくり返しの中で、花を咲かせ幹も少しづつ大きくなり、子供と同じに木の年を数えます。
毎日の中での輪廻 一年の四季の中での輪廻を思い、一日一日の大切さを思います。

発行所 エル・エンジェル国際ボランティア協会
〒243-0406
神奈川県海老名市国分北2-17-16
Tel046―236-0001
Fax046―233-2111
イラスト   前迫
編集担当   山梨 陶山 岩田 竹内




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